よもぎ蒸し

1. よもぎ蒸しのルーツ

1-1. ルーツは中国・唐時代

そもそもよもぎ蒸しが始められたのは、今から1300年ほど前の中国です。その頃の中国は「唐」と呼ばれており、その当時の人物、楊貴妃が薬草蒸しを好んで行っていました。彼女は現代では世界三大美女の1人として数えられてはいます。しかし、本来彼女は色白ではなく、肌も荒れ、太っていたとされています。しかし、彼女は並々ならぬ努力をした結果、唐の皇帝の寵愛を受けるに至ったのでした。それを支えたのが「よもぎ蒸し」だったのです。

1-2. やがて朝鮮へ

現在日本で行われている「よもぎ蒸し」の形は、今から500～600年前に中国から朝鮮半島へ伝わって確立されたものです。よもぎをはじめとして、益母草、薄荷、荊芥などといった漢方薬となる草を、黄土で作られた陶器の壺に入れて煎じます。その時に発生する蒸気を、よもぎ蒸し専用のマントの中で充満させ、下半身を中心に、体内に吸収させていきます。この方法で、当時の朝鮮では女性（とくに産後の女性）のための民間療法として行われていました。

2. よもぎ蒸しで期待できる効用

2-1. よもぎの成分

よもぎは、昔から薬草として価値のある植物であったとされてきました。ビタミンA・B1・B2・C・E、カルシウム、鉄、葉酸などの成分が豊富に含まれ、よもぎの香りは「シネオール・α-ツヨン」といった精油成分によるものです。

2-2. 冷えの改善

よもぎには高い温熱効果があるので、よもぎ蒸しによって体を芯から温め、冷え性の改善や免疫力をアップさせる効果が期待できます。よもぎ蒸し以外でも、湯船に入れると湯冷めを防ぐこともできます。腰痛や神経痛対策には最適です。

2-3. 産後の回復

昔からよもぎ蒸しが行われてきた韓国では、女性の産後のケアとして用いられてきました。蒸す際の温熱効果とよもぎの成分の相乗効果で、下半身に直接働きかけて基礎代謝を高めることによって、体の回復を早めます。

2-4. 美肌効果

よもぎには炎症を緩和させるシネオールや、解毒の効果があるアミラーゼ、ビタミンが含まれており、美肌効果が期待できます。また、子宮や卵巣の働きを促すことによって、お肌のトラブルを和らげ、荒れた皮膚を回復させる効果もあります。

2-5. ダイエット効果

よもぎ蒸しにより血行が促進されます。それにより新陳代謝が活性化し、脂肪の燃焼や老廃物の排出も活発になります。さらに整腸作用もあり、便秘解消にも一役買います。このようによもぎ蒸しには、ダイエットにつながるさまざまな効果が期待できるのです。

2-6. その他のさまざまな効果

それらの他にも、アンチエイジング効果やデトックス効果、リラックス効果や更年期障害の対策となるホルモンバランスの調整効果、殺菌効果に痔の改善効果など、さまざまな効果を発揮してくれます。

3. よもぎ蒸しの手順

3-1. カウンセリング

初めて利用される方は、お体に関する質問に答えるカルテへ記入をします。その方の普段の悩みを把握し、体質などの確認ができるのです。自覚症状などにより、薬草のブレンドを変えるサロンもあります。

3-2. 着替え

着ているものをすべて脱いで、専用のマントを着ます。メイクは落とす場合が多いでしょう。サロンによっては、メイク落としやヘアゴムなども用意されています。

3-3. よもぎ蒸し

よもぎ蒸しを行う場所へ案内され、椅子に座ってスタートします。椅子の座り方は、「あぐらをかく」「体育座りをする」「蒸気が出る穴の前側に座る」など、定期的に変えながら、全身に万遍なく行き渡るようにしましょう。数十分間かかるので、途中雑誌を読むこともできます。携帯電話の持ち込みが可能なところも多いでしょう。

3-4. 終了

よもぎ蒸しが終わったら、さらさらとした汗が出てスッキリしていることでしょう。タオルで軽く体を拭いて、服を着ます。メイクを整えるなど、仕度を済ませたら終了です。

4. まとめ